認知療法について

認知療法(にんちりょうほう、Cognitive therapy)とは、アーロン・ベックが発案した療法である。

人が成長するにつれ固定的なスキーマが形成され、それに基づいて歪んだ思考方法や考えが自然に浮かぶ自動思考が起こっており、そうした認知の歪みに焦点を当てて、認知を修正することで症状が改善されるとされる心理療法である。

認知療法はもともと、うつ病の治療方法であった。うつ病患者の認知、ものの見方や考え方の歪みに着目して、それを現実のものに修正することによって、うつ病そのものを治療しようとしたのが認知療法である。

最近では、認知、感情、行動が悪循環をなすというモデルに修正され、実際の治療方法としては、行動療法的な方法も取り入れられ、認知療法と行動療法は、特徴に違いはあるものの、車の両輪のように発展し、認知行動療法というように総称されるようにもなってきている。

イギリスの国立医療技術評価機構(NICE)の臨床ガイドラインでは、うつ病、PSTD、強迫性障害の適応に認知行動療法を含めている。また、アメリカの民間の保険会社も認知療法の治療効果を承認している。

そのほか、学業や仕事などの目標達成、薬物(アルコールやニコチンなどを含む)依存症、不安障害、双極性障害、自尊心の低さ、さまざまな恐怖症、統合失調症、薬物乱用などに効果的であるとされている。

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